漢字フラッシュカードを作るときは、1枚で確認する内容を1つに絞ります。表に漢字、裏に読み方と短い意味を置くのが基本です。用例が必要なら短い例文を1つだけ追加し、部首、複数の意味、すべての音読み・訓読みを一度に答えさせないようにします。
情報量の多いカードは辞書としては便利ですが、復習の正誤を判断しにくくなります。読み方は合っていて意味を忘れた場合、そのカードを「正解」にするか「不正解」にするかが曖昧になるからです。
語彙カード全般の表裏や、紙とアプリで作る手順を先に確認したい場合は、単語カードの作り方を参照してください。この記事では、漢字の読み方と書き取りを分ける方法に絞ります。
目的に合わせてカードの向きを決める
まず、何を思い出せるようになりたいかを決めます。
読む力を鍛えるカード
表: 隣
裏: となり — next to / beside
文章を読むときに漢字から読み方と意味を思い出す練習です。一般的な語彙学習では、この向きが使いやすい出発点です。
漢字を書くためのカード
表: となり
裏: 隣
書き取りが目的なら、かなから漢字を思い出すカードを別に作ります。読むカードと書くカードを1枚にまとめると、どちらを間違えたのか分からなくなります。
意味から日本語を出すカード
表: next to / beside
裏: 隣(となり)
会話や作文には役立ちますが、英語の意味だけでは正解が複数ある場合があります。必要に応じて短い文脈を加えます。
裏面に残す情報
基本の語彙カードには、次の項目で十分です。
- 普段使われる漢字表記
- かなの読み方
- 今回の文脈に合う短い意味
- 品詞
- 短い例文を1つ
ローマ字は、かなを学び始めた時期には役立ちますが、かなを読めるようになったら外した方がよいでしょう。英語を先に読んで答えを推測する習慣を防げます。
アクセントや音声も目的によっては有効です。ただし、発音まで採点したい場合は、語彙の意味を確認するカードとは分けると復習結果が明確になります。
音読みと訓読みを一覧で暗記しない
漢字には複数の読み方がありますが、最初から読み方の一覧を1枚に載せる必要はありません。例えば「生」には、せい、しょう、なま、いきる、うまれるなど多くの読み方があります。「生の読み方を全部答える」というカードは範囲が曖昧で、実際の文章を読む練習にもなりにくいカードです。
読み方は、実際に使われる語の中で覚えます。
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表: 先生
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裏: せんせい — teacher
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表: 生ビール
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裏: なまビール — draft beer
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表: 生きる
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裏: いきる — to live
この形なら、同じ漢字でも語ごとに読み方を判断できます。単独の漢字を見て代表的な読みを答える練習は、授業や試験でその形式が必要な場合にだけ追加します。
似た漢字は比較カードにしすぎない
「未・末」「土・士」「持・待」のような似た漢字は混同しやすいものです。しかし、表に複数の字を並べて違いを説明させるカードを大量に作ると、答えが長くなります。
まずは各語を文脈付きで別々に覚えます。
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表: 会議はまだ終わっていない。の「まだ」に対応する漢字は?
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裏: 未(未定、未来)
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表: 物語の「おわり」を表す漢字は?
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裏: 末(結末、年末)
それでも間違いが続く組み合わせだけ、違いを確認する比較カードを1枚追加します。比較カードは最初から全漢字に作るものではなく、実際の間違いを直すための補助です。
例文は短くても、答えを推測できる文脈にする
例文が長すぎると読む負担が増えますが、短すぎて意味が決まらない例文も役に立ちません。「橋を渡る」と「箸で食べる」のように、同じ読みでも文脈で意味が分かる長さを残します。
前面に例文を置く穴埋めカードを作る場合は、答えの文字数や最初の一文字を毎回表示しない方がよいでしょう。強すぎるヒントを覚えてしまうからです。一方、同義語が多く正解が一つに決まらない場合は、品詞や場面を短く示します。
例文の出典が教科書なら、習っていない文法が多い文は避けます。漢字より文法の解読に時間がかかるカードは、何を測っているか分からなくなります。
自分が読んでいる教材から作る
一般的な単語リストより、今使っている教科書、記事、授業ノートから語彙を選ぶ方が文脈を思い出しやすくなります。
Repetoでは、単語を入力するだけでなく、PDF、ノート、記事のリンク、YouTubeの字幕、録音、教科書の写真からカード案を作れます。生成されたカードはそのまま確定するのではなく、学習前に確認して編集します。
確認するときは、次の3点を意識します。
- すでに知っている語は削除する。
- 1枚に複数の質問があれば分ける。
- 読み方、数字、固有名詞を元の教材と照合する。
AIに渡す指示の例
漢字から読み方と意味を答えるカードを作成してください。表には一般的な表記、裏にはかな、短い意味、品詞、短い例文を1つ入れてください。ローマ字は使わず、1枚につき1つの語彙だけを扱ってください。
この指示をデッキに設定すれば、単語を1つ入力するときも、教材からまとめて生成するときも、同じ形式を使えます。
教材の目的に合わせて指示を少し変えることもできます。
日本語能力試験の語彙を読む場合
この範囲に出てくる語だけを使い、漢字表記から読み方と短い意味を答えるカードを作ってください。JLPTの級を推測して語を追加せず、例文は元の文脈に近い短い文にしてください。
学校の漢字テストで書き取りをする場合
表にはかなを含む短い文を置き、対象語だけを空欄にしてください。裏には正しい漢字と、間違えやすい送り仮名を示してください。読むカードは作らないでください。
記事や小説を読む場合
この文章を理解するために必要な未知語だけを候補にしてください。固有名詞と、文脈から簡単に推測できる語は除外してください。
指示を具体的にしても、生成結果の読み方が正しいとは限りません。辞書、教科書、元の文章と照合し、確認できたカードだけを残します。
復習で間違えた原因からカードを直す
同じカードを何度も間違えるとき、記憶力だけが原因とは限りません。次のどれに当てはまるかを確認します。
- 問いが広すぎる。 読み方と意味と書き順を同時に答えさせているなら分けます。
- 正解が複数ある。 文脈や品詞を加え、答えを一つに絞ります。
- 裏面が長すぎる。 今回必要な意味だけを残し、辞書の全文を削ります。
- 似たカードが多すぎる。 同じ例文や同義語の重複を整理します。
- 教材でまだ使っていない。 優先度が低い語は一時停止します。
カードを直した日は、すぐ覚え直したように感じます。修正直後の正解だけで判断せず、数日後に文脈なしで答えられるかを見てください。
間隔反復で難しい漢字だけを早く戻す
カードを作った後は、すべてを毎日見る必要はありません。RepetoはFSRSによる間隔反復を使い、もう一度、難しい、普通、簡単の回答から次の復習日を調整します。
覚えやすい語は復習間隔が長くなり、似た漢字や不規則な読み方は早く戻ります。だからこそ、1枚の役割を明確にすることが重要です。正確な回答が、正確なスケジュールにつながります。
毎週確認する数字は、作った枚数ではなく、期限のカードを完了できた割合と、同じカードで繰り返している間違いです。期限切れが増えているなら、新しい漢字を追加する前に一日の追加枚数を減らします。簡単なカードばかりなら、すでに自然に読める語を停止し、今の教材で必要な語に入れ替えます。
学習範囲は小さく区切ります。教科書なら一課、記事なら一段落、小説なら数ページから候補を出し、その日のうちに確認できる枚数だけ承認します。自動生成で百枚作れても、内容を確認できなければ復習用の資料としては未完成です。
Repetoで日本語のフラッシュカードを作る場合は、まず今読んでいる教材から10語だけ選んでください。大量のカードを作るより、確認済みの10枚を継続して復習する方が、学習の仕組みを正しく試せます。